以前から密かに気になっていたBMWのZ4をレンタカーできる機会に恵まれましたので、数日間借りてみての感想を語りたいと思います。
お借りできたのはBMW Z4の2019年9月の発売間もない時期のモデルでグレードは売れ筋のsDrive20i M Sportです。
評価は良かったもしくは残念に感じた点をまとめて行います。
良い点
文句なしのクーペデザイン
2ドアクーペらしい低いプロポーションに、キドニーグリルもクーペをイメージした横に伸びやかなデザインをしており、最近のBMWの中では控えめなキドニーグリルデザインです。
またヘッドライトデザインも他のBMWモデルと違い斜めにデザインされており、クーペの伸びやかなデザインらしさが感じ取れます。
BMWらしさを感じつつも、他のモデルとは異なるデザインにまとまっているのが特別感を感じます。
またテールライトもヘッドライト同様、横に伸びやかなクーペを彷彿させるようなデザインとなっており、シンプルながらも格好いいデザインだと思います。
またBMWは見た目だけの格好良さにとどまらず、マフラーやエアインテークといった見た目のフェイク要素が少ないのも魅力の一つです。
一度見たら他のBMWと見間違えることのない独特のプロポーションはZ4にはしかない魅力だと思います。
華やかで質感の高いインテリア
ドアトリム、ダッシュボード等、手の触れる部分は殆どがレザーやソフトパッド素材が使われており、随所にパンチングレザーも施されていたので質感は非常に高く感じました。
また約13万円のオプションであるマグマレッド ヴァーネスカ・レザーが装着されており、シートやドアの内張りが赤色に変更されていました。
内装の一部が赤色に変更されるだけで内装が明るく見えますし、高級感がありますよね。
BMWは細部まで質感に拘りを感じますし、鮮やかな赤色内装は所有満足度が非常に満たされること間違いなしです。
またアンビエントライトも装備されており、メルセデス・ベンツと比べるとその数は少ないですが夜間は程よく明るいです。
2シータークーペとは思えないユーティリティ
2ドアクーペのオープンカーという特殊な車ですが、荷室は以外にも広々としています。
屋根オープン時に荷室容量は影響を受けないですし、運転席と助手席の間に荷室と通じる蓋があるので長尺物の積載も可能です。
デッキボードタイプであったり床下収納のようなものはありませんが、二人分の荷物を積んで旅行へ行きお土産も載せられるくらい十分な荷室サイズだと思います。
また運転席と助手席の後ろにはネットで保護された小物置きが存在し、2名乗車時に助手席へと置くことが出来ないカバンや財布等をチョイ置きすることが可能です。
こういう装備が地味に嬉しいですよね。
オープンカーとは思えない静粛性
ホロのオープンカーですので普通のクローズカーと比べると多少ロードノイズや外の音は入ってきますが、オープンカーにしてはかなり静粛性は高めだと思います。
比較対象が車両本体価格が300万円も違うロードスターで大変申し訳無いのですが、静粛性には天と地の差があります。
オープン状態からクローズして、窓も全て締め切った時の違いは感動します。
さすがプレミアムブランドが作るオープンカーだなと関心させられるクオリティです。
外の風や環境音を聴きながら走りたいと気はオープンに、静かな環境で走りたいときはクローズにした時、しっかりとわけられるのは素晴らしい作り込みですよね。
残念な点
内装にピアノブラックを使いすぎ問題
内装質感は基本的に高いのですが、唯一残念な点は手の触れやすい部分へピアノブラックを採用し過ぎというところです。
ピアノブラックは見た目は良いものの、手垢や傷などの汚れが他の材質と比べるとつきやすく目立ちます。
手の触れにくい部分への採用が望ましいと思うのですが、Z4の場合センターコンソールの大部分・エアコン送風口周辺・ルームランプのボタン等、かなり多くの部分と手に触れるであろう場所にピアノブラックが使われています。
車両本体価格が680万円と700万円近い価格の車にしては汚れや傷の目立ちやすいピアノブラックが多く使われているのは少し残念に感じました。
(現に3日間使用しましたがすごく指紋の汚れが目立っていました)
使い勝手の悪いドリンクホルダー
アームレストを開くとドリンクホルダーが現れますが、開いたアームレストが邪魔で助手席の人は相当使いづらいと思います。
またドリンクホルダー使用時はアームレストが半分使用不可になる上に、500mlペットボトルのような高さのある飲み物を置くと肘を置こうとした時ドリンクに肘が当たるなんてことも考えられます。
ドリンクホルダーを普段見えないようにする美意識は感じられますが、それによって使い勝手が損なわれているのは正直残念ですね。
まとめ
フェイク要素なしのスタイリッシュなクーペデザインで、エンジンもパワーを持て余すほどにパワフルで走行性能も高いです。
インテリアは全体的な仕上がりとしては高級感もあり質感も高いですが、手で触れる事の多い場所にもピアノブラックが多様されているのは少し気になりました。
しかしオプションで装備可能な赤色内装は見た目のスポーティーさも相まって所有満足度が高そうです。
売れ筋グレードの車両本体価格が600万円を超えてくる車ですので、趣味の車にしてはかなり高額ですが、それに見合った満足感を与えてくれる車ではないでしょうか。
大人でラグジュアリーなオープンスポーツカーというのが感じられた一台でした。