現在2015年式のS660に乗っており、12月には別の車と入れ替わる形で売却予定です。
今回は中古で購入し、約半年所有し約8000kmを走行したS660のレビューです。
グレードは上級グレードのαです。
評価は良かったもしくは残念に感じた点をまとめて行います。
良い点
ミニスーパーカーなフォルム
軽自動車の規格に収まっていますが、その見た目はミニスーパーカーです。
極限まで伸ばされたホイールベースも相まって軽自動車とは思えない程にスポーティーなフォルムは素晴らしいの一言に付きます。
エクステリアで特に目立つのがリアコンビネーションランプで、この美しい造形はまさにスーパーカーを彷彿とさせます。
開発者が意地でも商品化したかった部分ということなので相当な気合を感じるクオリティーです。
軽自動車でここまで美しいテールランプは見たことがないというくらい素晴らしいと思います。
またマフラーはセンター一本出しというのも造形にこだわりを感じますし、スーパーカーのような格好良さがありますよね。
美しいリアビューに対してヘッドライトの作り込みの甘さと、ハイビームがハロゲンである点等は少し残念ですが、遠目から見てもすぐにS660であると分かる独特なミニスーパーカーフォルムと特徴的なリアコンビネーションランプだけでも、軽自動車規格とは思えないほど高クオリティーなエクステリアだと思います。
走る気にさせるコックピットデザイン
ホンダはCR-Zでもそうでしたがスポーツカーの運転席を戦闘機のコクピットかのように包まれ感のあるデザインにする傾向があります。
S660も非常に包まれ感のあるコクピットデザインで、運転席を中心にデザインがされています。
このコクピット感のあるデザインは非常にその気に、走る気にさせてくれるデザインで格好良いと思います。
またMT車の場合、ボタンを押すとメーター類が赤くなるだけの機能がついており、その気にさせる演出が凄いですね。
意外と悪くない内装質感
どうしても黒を基調としたインテリアデザインなので地味に感じられる部分も多く、特に写真で見る内装はそのせいで質感が低いように感じられます。
とは言えαグレードではステアリングも革巻きでステッチ刺繍が入っていますし、カーボン調の柄が入った部分も多く、ソフトパッドが使われている部分もあります。
なので実際に乗って触ってみると質感はそこまで低くは無いんですよね。
特筆すべきは一部にヘアライン調の切削加工やドアトリムにはカーボン柄の装飾が施されていたりと、内装の要所要所をよく見ると意外と内装質感悪くないなと感じました。
軽快ハンドリングマシン
軽自動車規格の為、当然排気量は660ccで64馬力です。
なので決して加速力は高くはありませんが、その分ミッドシップレイアウトとかなりこだわり抜いた足回りのセッティングによってコーナリング能力は高く、コーナリング時の楽しさが半端ないです。
走りの為にわざわざ軽自動車で前後タイヤのインチが違いますし、前記した通りミッドシップという特殊な構造もしています。
本当にS660のコーナリング能力は軽自動車の枠を超えるレベルで高く素晴らしいと思います。
残念な点
絶望的なユーティリティ
S660は絶望的に収納能力がありません。
同じようなタイプの車であるロードスターとコペンと比較しても収納能力に関してはかなりの差があり、全てはミッドシップレイアウトによりエンジンが後部、トランクスペースが前部という設計になっている点に原因があります。
とは言え走りのために収納スペースを犠牲にしているという見方もできるので、走りに特化した軽スポーツカーならば仕方がない点だと思いますし、収納能力の低さは理解した上で購入すべき点だと思います。
ちなみに前部のトランクスペースには丸めた屋根(ホロ)をしまうと他に何も入りません。
当然荷室にはキャリーケースは入らず、上記写真のように助手席が荷物置きと化します。
オープン機構の煩わしさ
S660はオープンカーでもありますが、屋根の開閉が非常に手間です。
車内から開閉を行うことは難しく、車内から開く事は何とか出来ますが非常に大変で、車内から閉めることはほぼ不可能だと思います。
慣れれば30~40秒程度で開閉が可能になりますが、そもそも電動であれば慣れとか関係なく一定期間で開きますし、ロードスターのような機構であれば手動開閉であってもものの数秒で開閉が可能です。
開閉の手間により気軽にオープンが楽しみにくいのは残念な点ですね。
まとめ
エクステリアデザインと走り両方が非常によく作り込まれており、軽自動車であることを忘れる程に素晴らしいデザイン・走りだと思います。
正直エンジンパワーが圧倒的に車体の作り込みに対して劣っていると感じるくらい、やりすぎだとかんじるくらいには車体の作り込みが凄いです。
なので軽自動車枠を飛び出して、もう少し排気量とパワーのあるエンジンを積んでも良かったのではないかなと思ってしまいます。
その反面、走りとデザインに全振りしているが為に収納力は絶望的にないので、収納能力の低さに関しては絶対に理解した上で購入すべきだと思います。